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202103.11Thu.

##それぞれの3.11

それぞれの3.11

 

当時私は葬儀社でマーケティング業務に従事しており、約1年間の宮崎赴任を経て東京の本社に戻った数日後に3.11を迎えたのでした。

2011年3月11日14時48分

田町のビルにいた私は、ドスンドスンという音と共に、重たいロッカーが宙を舞い、隣の建物が大きくしなっているのが見えました。そして、直後にお台場から煙が上がり、一時間後には津波が発生。夕方頃品川の自宅へと歩いて帰宅。同僚の中には5時間かけて帰宅した人もいました。

自宅に戻ると、食器棚が倒れ、大型の姿見が割れている程度で大きな被害はなかったものの、テレビから永遠に流れる津波の映像を見ながらめまいと頭痛が止まらず、テレビの電源も部屋の明かりも消して、静かな部屋の中で横になって目をつむっていたことを覚えています。

翌日以降の業務の大半は、東北の支援でした。現場に不足している棺を届けるために、葬祭ディレクターは国から特別な許可証を発行してもらい、運送用のトラックを借りて東北へ。想像を絶する状況を耳にしながら、ぼくたちにできることを模索する日々でした。

毎日目にするたくさんの方々の「死」に直面するお仕事ではありましたが、10人いれば10人の人生があるように、どのお葬式も当然同じものというものは一つもありません。大往生で亡くなられる方、事故で亡くなられる方、自ら命を絶ってしまわれた方、様々です。しかしながら、「生」と「死」は表裏一体であり、「死」を感じた時に「生」も同時に考えるようになるものです。「死」はいつか必ず訪れる「ゴール」だとすると、それを見定められた人は、その「ゴール」に向かってどう生きていけば良いのかを考えることができます。

ゴールに向かってどのように歩いていくのか、誰と歩いていくのか、何をするのか、最後をどう迎えるのか。そんなことを考えながら、私の結婚願望は芽生えていったのでした。そして、3.11の出来事を通じて、「家族」でいることの大切さと重要性をあらためて理解したように思います。

婚活という素敵な時期を過ごしながら、ぜひ未来に向けて、共に歩んでいける最高のパートナーを見つけていただきたいと切に願うばかりです。

この年の10月、私は結婚して、今年で10年目を迎えようとしています。10年経った今も、あの時に感じたこと、想ったことは今も変わらずここにあります。

悲しみに満ち溢れた3.11を生きている限り想い続け、それをまた次の世代に伝えていくことが私たち大人の役割なのかもしれません。そして、あるべきはずだった誰かの「人生」を、生きているわたしたちが背負って生きていくことが、使命なのだと思うのです。

 

合掌